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編集部ブログ『kamiメモ』

「桜庭発言」に対する田村の怒り(ガンツ)

2008年11月14日 22:09

撮影/菊池茂夫

ついに、やっと、ようやく、いよいよ実現する田村潔司vs桜庭和志戦。

あまりにも待たされ過ぎたため、会見前に「正式決定」の報は耳にしていたのだが、実感が湧かなかった。しかし、それぞれのテーマ曲に乗って二人が会見場に現れたときの感情の高ぶりはどうだ。仕事を超えて胸が熱くなるものがあった。

10年来の夢の対決。PRIDEの忘れ物。夢の懸け橋……。

しかし、そんな感慨深い思いは、桜庭の発言で吹っ飛ぶこととなる。
「緊張感がある闘いがしたいので、この試合は、時間無宣言で素手でやるのはどうでしょうか?」

なんと桜庭が、田村に対し「時間無制限、素手での顔面パンチあり」という"原始バーリ・トゥード"のルールを要求したのだ。これはまさに、ケンカルールでの完全決着という"果たし状"だ。

これに対し田村は、その時点では笑顔でさらりとかわしていたが、これ以後、会見後半はあきらかに表情が硬くなった。そして会見後、僕は田村にインタビューをしたのだが、田村はあきらかに怒っていた。いや、怒りというより、寂しさが漂っていた。

いまから8年前の2000年5月。田村がヘンゾを、桜庭がホイスを破ったあと、僕がインタビューしたとき、田村は「俺と桜庭が闘ったら、それは理想のUWFになる」と言っていた。

田村は今回の桜庭戦でも、恩讐を超えて、理想のUWFをやりたかったのだろう。田村が『PRIDE.34』のリング上で語った「俺と桜庭にしかできない夢の懸け橋をやりたい」と言った「俺と桜庭にしかできない闘い」とは、Uの総決算となるような夢のある闘いだったはずだ。しかし、桜庭は「僕と田村さんにしかできない闘い、それが時間無制限、素手で顔面あり」と言う。

あまりにウェットな田村と、あまりにドライな桜庭。この一戦に対する温度差、思いの差は、我々の想像以上だ。

10年以上にわたって相容れない関係だった田村と桜庭。そのためにこの試合は実現しなかったと思われていた。しかし、いざ試合が正式発表されたいまも、二人の考えはすれ違ったまま。まったく交わってない。

田村潔司vs桜庭和志。やはりこの試合、単なる総合格闘技ではない。己の価値観、信条、生き様、そして存在を賭けての闘いなのだ。