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kamipro編集部・大川義之プロフィール

1973年5月20日、大阪府大阪市出身。中学・高校教師を経て、02年に日本語講師として渡韓。大学で日本語を教えながら、韓国総合格闘技の草創期からその成り行きを目撃。大会の観戦を重ねていくうちに、ライターや通訳、現地コーディネイターとして日本・韓国格闘技業界とかかわりを持つようになる。06年から『kamipro』誌上で韓国格闘技情報の月刊コラム「インサイド・コリア」の寄稿を開始。08年に帰国と同時にダブルクロスへ入社。09年6月よりフリーライターとして活動中。

12月20日更新

韓国メディアとファンが「バダ・ハリへの処分は秋山に比べて軽い」と大騒ぎ! 秋山が韓国で『秋山道場』を設立へ

秋山成勲が大晦日『『Dynamite!!』欠場を宣言したことは、韓国で大きな衝撃を持って伝えられたが、韓国では今週、「秋山はどこへ行くのか?」という憶測記事が乱れ飛んだ。その一方で、12月17日にFEGが下したバダ・ハリの反則への処分が、「秋山が受けた処罰よりも軽い! 不公平だ」という憤慨記事が多数掲載された。今週もそんな韓国での格闘技報道をまとめて紹介!

■秋山はどこへ行く? 韓国でのUFC行きが主流!? 柔道界復帰説も……


これまで韓国における秋山報道の情報源は、秋山の韓国での芸能関係の仕事などをマネージメントしてきたFEGコリアであったが、FEGとの契約が切れた現在では、韓国発の情報が激減。先週一週間は、日本で報じられた情報の二次報道がほとんどであった。
ただ、秋山が次にどこと契約するかについて多く報道されたのは“秋山UFC進出説”だった。
12月17日付の『マイデイリー』紙は「秋山と石井慧は『チーム秋山』を結成し、活動をともにしている状況だ。格闘技関係者は事実上、秋山が石井慧のマネージャーの役目をしていると指摘する。石井が全盛期にあった柔道を離れて21歳の若さで総合格闘家に転向したのは、秋山の影響が大きかったということは格闘技界ではよく知られた事実だ。それだけに石井慧がUFC行きを決意したのは、秋山がUFC行きの気持ちを固めたと見ていい兆候と言える。アジア市場への進出を狙うUFCは韓国と日本両国で高い人気を得ている秋山に高い関心を見せ、破格的な条件を提示している」と報道しているが、その根拠となっているのは、親交のある石井慧がUFC行きを決意したこと、そして12月14日に『戦極』の國保尊弘広報が「秋山選手はアメリカに行きたいという話もありますし……」という発言がもとになっており、信憑性は高くなさそうだ。
そのほかには、12月15日付の『MOOKAS』紙が「12月14日、秋山は『嘉納治五郎杯』を観戦し、大会後、東京スポーツに対して『また柔道をやりたくなった』とコメントし、秋山の柔道復帰説も流れている」と報道しているが、当然のことながらプロ格闘家として稼ぎ時にある秋山がアマチュア柔道界に戻ることは考えにくい。加えて日本の柔道界には「プロ格闘で試合した者には、その後3年経過しないと、柔道界に戻ることができない」という条項があり、現実時点での柔道家復帰の可能性は限りなく低い。
以上のように、韓国においても現時点で秋山がどこへ向かおうとしているのかは、把握しているとは言い難い状況のようだ。

■秋山の『Dynamite!!』出場拒否は、頻繁な芸能活動で練習不足のため?

 
行き先が不透明で、『Dynamite!!』欠場理由も不確かな状況の中で、秋山に対する批判記事も出始めている。12月15日付の『MOOKAS』紙は、秋山の大晦日欠場の原因はギャランティの面で合意に達しなかったからだとしながら、「秋山の大晦日出場拒否は、頻繁な芸能活動にともなう練習不足のため、という説もある。秋山は11月に『12月からは芸能活動を中断する。大晦日のために練習に専念する』とコメントしたにもかかわらず、その後も芸能活動を続けている」と、現在の秋山の姿勢を批判し、「日本と韓国の格闘技ファンは格闘家・秋山を望んでいる。格闘技界最高のスターとなった秋山がその立場に相応しい待遇を受けるのは当然のこと。しかし、もし今回の大晦日出場拒否が単なる“ギャラのつり上げ”のためのショーであるとしたら、ファンからの非難を回避できないだろう」と、厳しい論調で記事を締めくくっている。

■秋山が韓国で『秋山道場』設立へ


しかし、当の秋山本人は、そんな批判記事もどこ吹く風。さらにビジネスマン秋山として、忙しくて動いているのだった。12月19日に韓国の『世宗新聞経済』が報じたところによると、秋山は韓国のソウルと釜山で『秋山道場』を設立に向けて動いているという。記事によると、「秋山は12月10日、秋山成勲は韓国の天地税務法人(代表理事パク・ジョムシク)を訪問し、自分の名前をつけた『秋山道場』をソウルと釜山に設立する問題について協議し、事業者登録や税金問題など、諸般の税務コンサルティングを受けて帰った」という。いまのところ、これが格闘技道場なのか柔道場なのか、発表されていないが、税金対策や韓国での経済基盤をより安定させるための道場経営の計画など、そのビジネス展開に抜かりはないようだ。

■バダ・ハリへの懲戒処分は公平性に欠く裁定? 韓国で批判続出


12月17日にFEGがバダ・ハリに下した裁定について韓国で批判殺到しているという。『MFIGHT』は18日の記事で、「結局、バダ・ハリには“出場停止”という重い懲戒は下されなかった。しかし、去年秋山が受けた懲戒処分と比べれば矛盾も生ずる。2006年の秋山の“オイル塗布事件”当時も、K-1と『HERO’S』のルールには出場停止に関する記載はなかった。FEGは2007年1月に『現行ルールで失格以上の処罰はないが、重い責任があると判断して秋山の無期限出場停止を決めた』としている。差があるとすれば、秋山の場合、相手選手が日本の英雄・桜庭和志であったため、事件直後、日本の世論は“最悪”な方向に向かったこと。大会翌日、K-1ファンとのイベントに参加し、明るく笑っていたバダ・ハリと対照的だ」としてFEGの恣意的な裁定だと主張。
さらに「結果的に“出場停止”に関する条項がないに等しいルールの中で、バダ・ハリは“故意”であることが明らかだったにもかかわらず、秋山より軽い処罰となった。選手に懲戒を下すことにおいて、何を基準にするかは全面的に主催者が判断するものである。重要なのは誰が見ても理解できる適切な基準によって処罰を下し、公平性を保障すること。それが結局のところ、“スポーツ”と“エンターテインメント”を選り分ける重要な基準となる」と、秋山への処分をモノサシにしてFEGの裁定に疑問を提示している。

以上、今週の韓国格闘技情報でした。来週もお楽しみに!