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kamipro編集部・大川義之プロフィール

1973年5月20日、大阪府大阪市出身。中学・高校教師を経て、02年に日本語講師として渡韓。大学で日本語を教えながら、韓国総合格闘技の草創期からその成り行きを目撃。大会の観戦を重ねていくうちに、ライターや通訳、現地コーディネイターとして日本・韓国格闘技業界とかかわりを持つようになる。06年から『kamipro』誌上で韓国格闘技情報の月刊コラム「インサイド・コリア」の寄稿を開始。08年に帰国と同時にダブルクロスへ入社。09年6月よりフリーライターとして活動中。

3月16日更新

「秋山のUFCでのファイトマネーは驚くほど低い!」韓国メディアが秋山の契約を暴露!?

FEGを離脱してからの秋山成は沈黙を守った末に日本と韓国で盛大にUFCへの参戦表明会見を行ない、間髪入れずにモデルSHIHOとの入籍発表を行なうなど、何かと話題を振りまいているが、ファイターとして大きな転機を迎えていることは間違いない。そんな秋山のFEG離脱後からの舞台裏をうかがい知る興味深い情報が韓国メディアから流れてきた。それは、これまで秋山が高額契約した、と喧伝されてきたUFCとの契約内容についてのもの。今週はそんな秋山情報、さらには谷川代表にK-1女子部門立ち上げを決意させた韓国で話題の美人ファイターなどの情報を紹介! 

■UFC参戦で秋山のファイトマネーは激減!?


日本では一部のスポーツ新聞などを通して秋山成勲のUFCでのファイトマネーが1億2千万円だと報道されていたが、どうやら秋山の周辺はそう景気のいいものではなさそうだ。3月11日付けで韓国の格闘技&武術系のニュースサイト『MOOKAS』が報じたところによると、“日本のFEGに精通した消息筋”から得た情報を紹介しつつ「秋山成勲のUFCでのファイトマネーがデタラメなほどに少ないということが話題になっている。3月4日の(韓国での)公式記者会見でUFC進出を宣言した秋山のファイトマネーは3万ドル(約294万円)にすぎないという疑惑が出ており、額面で足りない部分はIBスポーツ(秋山が契約する韓国のスポーツマネージメント会社)が補填する」という内容を掲載している。

秋山のファイトマネーが一試合300万円にも満たないという情報は、この報道が出る前に本誌『kamipro』編集部にも伝えられていたもので、その金額面や条件なども一致していることから、情報の信憑性は高まってきている。だが『MOOKAS』が報じている「額面で足りない部分はIBスポーツ(あるいはUFCを放送するテレビ局)が補填する」という点については、うまく話が進んでいないという情報もあり、不透明なものである。

『MOOKAS』の記事では、さらに「秋山がFEGと契約していた時期には、最高で(1試合に)1,000万円を手にしていた。これに比べると、UFCでのファイトマネーは半分にも満たない数字。参考までにUFCで3試合を済ませたキム・ドンヒョンのファイトマネーは2万9000ドル(約284万円)だ」と書かれている。これが本当ならば、秋山がUFCで年間3試合をこなしたとしても約880万円にしかならないことになる。UFCで闘う外国人は、さらにそこから30パーセントを税金で引かれるわけで、秋山は1年間必死になって闘っても、FEGで闘っていたときの1試合の半分ほどしか手にできないことになる。さらに言えば、UFCは秋山の獲得にそれほど積極的ではなかったという話もある。それは『MOOKAS』の同記事でも「秋山は日本や韓国では重要な興行のカードではあったが、アメリカでは知名度は高くない。つまり、現時点で秋山はUFCの収益の大半を占めるPPVの購買意欲を高めるスター選手ではないということだ。日本や韓国での人気がアメリカでのPPVに影響するとも思えない。すなわちこれが、UFCが秋山の契約金を意外なほど低くした理由であると推測される」と指摘するとおりである。

また、秋山の契約ではPPVへの登場が有力視されていたが、秋山参戦が濃厚な『UFC100』では、フランク・ミアとブロック・レスナーによるヘビー級のタイトル統一戦、GSPとチアゴ・アウベスによるウェルター級タイトルマッチ、さらにはダンヘン vs マイケル・ビスピンによる『TUFシーズン9』コーチ対決も決定している。ほかにも同大会ではジョン・フィッチ vs パウロ・チアゴ、ステファン・ボナー vs マーク・コールマンといった好カードが予定されているだけに、日本や韓国では放送される可能性は高くても、秋山がアメリカのPPVに登場するかどうかはまったく保証のない話である。もちろん、秋山のオクタゴンデビューが『UFC100』以外の大会になる可能性も残されているが、結局のところUFCにおいては秋山もほかの選手同様、腕一本で勝ち上がっていかなくてはならないことに変わりはない。ただし、秋山の初戦の相手と噂されるアラン・ベルチャーは、『UFC93』でデニス・カーンを破った選手であり、もしこの試合に快勝するようであれば一気にトップ戦線に食い込んでくる可能性はある。

さらに興味深いのは“魔王”秋山成勲はUFCと契約するにあたって“とんでもない、ある企み”を計画していたというのだが……、その詳細については3月23日(月)に発売される『kamipro』133号に掲載されているので、興味のある方はぜひ書店で購入してご覧いただきたい。

■入籍発表により、秋山とSHIHOが韓国で話題に! 


その秋山は先週、モデルのSHIHOと入籍したことを発表。この秋山結婚の報道は韓国でも大きく報じられ、話題となっている。とくに秋山の結婚相手であるSHIHOは韓国のインターネット検索件数でトップに上がるほど興味の対象となっている。だが、その一方で現在は日本に帰化して日本人となっている秋山を、どうしてそこまで韓国人扱いして大きく報道するのか、と疑問を提示するメディアも出てきている。韓国の大手報道機関である『聯合ニュース』は、3月14日付の記事で「韓国人“チュ・ソンフン”なのか、日本人アキヤマなのか?」というタイトルの記事を掲載。

ここで韓国で「秋山の国籍問題に関してインターネット上で激しい論争が起こっている」という現状を報告しつつ、「在日韓国人4世の秋山成勲は韓国と日本でチュ・ソンフン、アキヤマ・ヨシヒロという二つの名前を使い分けている。だが、結論から言えば彼の国籍は日本であり、れっきとした日本人である」と韓国人扱いする現在の風潮に疑問を提示。さらには「(秋山は)韓国語も下手で、3月4日にソウルで行なわれたUFC参戦記者会見の場でも韓国人通訳を同行させなければならなかった。昨年2月に“秋山シンドローム”を巻き起こしたMBCのテレビ番組『ヒザ打ち道士』に出演した際み、じつは韓国語の通訳を三人もつけて長時間にわたってインタビューしたものであることが明らかになっている」と裏事情を暴露している。

これまで秋山の韓国語の実力について、これほど厳しくつっこまれたことはない。むしろ「たどたどしく話す韓国語がかわいらしい」と報道するメディアやファンが多かったが、ここにきて韓国の主要メディアが秋山に対してネガティブな意見を提示しはじめているのは興味深い。こうした報道姿勢の変化は、秋山サイドが韓国で“愛国心マーケティング”を展開しているにもかかわらず、実際は日本語で話していることに韓国人が矛盾を感じていることが影響していると思われる。昨年まで、韓国では“アンチファンが少ないのが秋山の特徴”と言われていたが、その状況は少しずつ変わりつつあるようだ。

■谷川代表に“K-1女子部門の立ち上げ”を決意させたイム・スジョンとは!?


3月20日に韓国ソウル市内で開催される『K-1アジアMAX』のセミファイナルで“美人格闘家”イム・スジョンが出場することが話題になっている。これを受けて先週、FEGの谷川貞治代表が「年内にK-1の女子部門を旗揚げする」と宣言したことは記憶に新しいところ。

その“美人格闘家”イム・スジョンは、韓国でもさまざまなメディアで注目を受け始めている。ただ、韓国には“イム・スジョン”という名前の同名異人の有名人が多い。たとえば芸能界には“全国民の妹的存在”として愛されている映画俳優のイム・スジョンがいるし、テコンドー界には北京オリンピック女子57キロ級で金メダルを獲得したイム・スジョンもいる。このように韓国では、マイナースポーツであるムエタイ、キックボクシング界の住人であるイム・スジョンが名を上げるには難しい状況があるのだが、3.20『K-1 アジアMAX』のセミファイナルに登場するイム・スジョンは、現役大学生という若さに加え、相当な美人であること、そして韓国の女子ムエタイ&キックボクシング界のトップファイター(21戦17勝4敗8KO)であることから、徐々に注目を浴びてきているのだ。06年には初来日し、現在は女子総合格闘技界で危険なストライカーとして名を馳せるWINDY智美と全日本キックボクシングの舞台で互角(0-2の僅差で判定負け)に闘っており、ただの顔がきれいなだけのアイドルファイターではない。最近では、ファイターとしてだけでなく『マッハ!』の監督が製作した映画『チョコレート・ファイター』(日本では5月23日公開予定)に出演したり、テレビドラマに出演するなど、活動の幅も広げている。

最近では、韓国のネットで“イム・スジョン”を検索すれば“格闘家”イム・スジョンが一番にヒットするようになってきており、“美人高校生ファイター”である日本のREINAとの対決は“日韓美女対決”として関心が高まっているという。はたして、イム・スジョンは谷川代表の期待どおり、“K-1女子部門の起爆剤”となることができるか? 
そうした視点からも、3.20『K-1アジアMAX』韓国・ソウル大会は注目の大会となりそうだ。

■『戦極』フェザー級GP参戦を前に二人の韓国人ファイターが怪気炎!!


3.20『戦極〜第七陣〜』で開幕するフェザー級GPには、韓国からコリアン・トップチームに所属するキム・ジョンマン、ジョン・チャンソンが参戦する。メジャー舞台での大会に出場することから、この両者には多くのメディアが取材を試みているようだ。以下に、それらの記事の中から両選手の経歴や試合に向けたコメントなどを紹介する。

ジョン・チャンソンは、韓国の慶北科学大学(※この大学には異種格闘技学科がある)で柔術を始めて自然にMMAに触れるようになったという変わり種で、キックボクシングなどの試合も経験しているストライカー。まだ若いが、現在まで総合格闘技の戦績は8戦全勝の強豪だ。これまでに無敗なだけに、大舞台進出を前にしても自信マンマンな様子で韓国メディアの取材に答えている。ジョン・チャンソンの1回戦の相手となる石渡伸太郎に対しても「相手の試合はそれほど観ていないが、彼のスタイルははっきりしている。自分の試合ができれば簡単に勝てる相手。乱打戦にもちこめばいいし、それで充分倒せる。孫煌進戦で初めて相手の選手を失神させたが、ウェイトトレーニングをしてさらにパンチ力がついている」と自信のほどをコメントしている。

一方のキム・ジョンマンは韓国軍の特殊部隊である“特戦司令部”出身のファイター。日本ではあまり報じられていないが、キム・ジョンマンの総合格闘技戦績は40戦を越えており、03年のスピリットMCでデビュー(厳密にはアマチュア扱いの試合)したことを
乾ききりに、ネオファイトの旗揚げ戦にも出場している韓国総合格闘技界の第一世代でもある。04年3月からは韓国のクラブファイト『Gimme5』(ギムミー5)に出場。ここでキム・ジョンマンは体重差のある相手やプロフィールもわからない未知の選手と連日試合を繰り広げ、『Gimme5』だけで20勝2敗1分という好成績を収め、同イベントの看板選手となって名を挙げた。さらにK-1韓国大会のオープニングファイトで打撃の試合を経験したりしたが、ようやく世間に認められるようになったのは、05年11月に開催された『HERO’S』韓国大会で山本篤をKOしてからである。それからは日本の修斗やDEEP、CAGE FORCEなどで日本の70キロ、65キロ級の数々の強豪と互角の勝負をして現在に至る。現在軍隊で兵役中のトルネード・ソンと並ぶ韓国格闘技界の軽量級のトップファイターであることは間違いない。

こちらは30歳という年齢もあってか、「『戦極』のフェザー級GPに出られなければ引退するか、WECに行くことも考えていた。自分は今回が最後のチャンスだと考えているので、ここで勝負をかけるつもり。今回の試合でダメなら年齢もあるし、行き場もない」と決死の覚悟で『戦極』のフェザー級GPに挑む。1回戦の相手、金原正徳に対しては「相手はオールラウンダー。試合の映像を観たが、うまさはあるが力は強くなさそうだ。自分のほうが強い選手と闘ってきた経験があるし、自分のスタイルで闘えば勝てる。相手は自分の分析を済ませているようだが、どんな闘い方できても対応できる」と負けるつもりは一切ないようだ。そのジョンマン、優勝候補については「日本人ならヒオキが最有力。ヒオキと前に闘ったときは厳しい試合だったが、再戦しても勝つ自信がある」と意欲を燃やしている。

最近、格闘技界では苦戦が続く韓国勢だが、今度は結果を残すことができるのか? 

以上、今週の韓国格闘技情報でした。来週もお楽しみに!