11月2日更新
敏腕韓国人ブッカーが日韓格闘技の舞台裏を語る! パンクラス・コリアが再始動! ソウル進出を表明!!
先週もこのコーナーで触れたが、停滞している現在の韓国格闘技界を尻目に、日本と韓国格闘技界をつなぐCMA KOREAが凄まじいまでの活動を展開している。10.25『DREAM.12』を皮切りに、11.1『HEAT.12』、11.3グラジエーター岡山大会&club DEEP京都大会、11.7『戦極〜第十一陣〜』、11.10 DEEP&CMA感謝祭と、わずか二週間で26人の選手を日本のMMAイベントに派遣しているのだ。今週はそんな韓国格闘技界の敏腕ブッカーのインタビューを中心に、パンクラス・コリア再始動の情報など、気になるニュースをお届けします。
■二週間で26人をブッキング! 韓国のブッカーがその舞台裏を激白!
10月後半から11月上旬にかけて、韓国人ファイター26人を日本のイベントに送り込むCMA KOREA。そこで本誌は停滞する韓国格闘技において獅子奮迅の働きを見せるCMA KOREAの敏腕ブッカー、チョン・チャンウク氏を直撃! 最近のCMAの活動について語ってもらった。まずチョン・チャンウク氏は、CMAの現況について「確かにこんなに忙しいのは珍しいですね。今年は年間に40人以上の選手を日本に派遣しているので、過去最高の選手を日本に派遣していることになります。とにかく選手の飛行機の手配が大変でした。でも自分のより諸岡(秀克・CMA)会長のほうがもっと大変ですよ。本当に精力的に活動されていて、頭が下がります」と、その多忙ぶりを表現。チョン・チャンウク氏がCMA KOREAと関わるようになったのはチェ・ムベがPRIDEに出場する直前の2003年。それ以来、チョン・チャンウク氏はCMA諸岡会長との二人三脚で、これまでにほとんどの格闘技イベントに数多くの韓国人選手を参戦させている。

現在の日韓の格闘技の事情についてチョン・チャンウク氏は「いまはもうチェ・ムベ選手のように、突然メジャーイベントのPRIDEなどに参戦できた時代とは違います。昔と違って日本の格闘技団体のプロモーターや関係者も韓国人選手の潜在的な能力の高さについては評価してくれていますが、だからと言ってなんの実績もない韓国人をいきなりメジャーの大会に上げるというケースはほとんどありません。韓国ではほとんど格闘技の大会がないため、選手が試合の経験を積むことはできません。それは韓国人ファイターにとって非常に大きな問題です。でも、CMAを通せば定期的に日本で試合をさせてあげられますし、どんな小さな大会からであっても、試合で勝ち続ければメジャーイベントに進出する道は整っています。昨年のグラジエーター岡山大会で小見川道大選手に勝ったジョン・チャンソンも、その実力が認められていまでは『戦極』で活躍しています。残念ながら勝つことはできませんでしたが、『DREAM.12』に出場したパーキーやペ・ミョンホもDEEPなどで実績を残してきたからメジャーイベントのリングに立つことができたのです。韓国内ではいままでCMAの活動について陰口を言う人もいましたが、いまの韓国の格闘技界の事情を見れば、我々がやってきたことが正しかったとわかってもらえると思います」と胸を張る。一方で、チョン・チャンウク氏は若い韓国人ファイターに対し、「いまの韓国人選手は少し勝つと、すぐ不平を言う傾向にありますね。つまらない試合で勝ちに徹する選手もいますし、勝てる相手じゃないと試合をしたがらない選手や『出発する空港を変更しろ』と言ってくる選手もいます」と警鐘を鳴らす。こうした苦言は、長年のブッカーとしての経験から“敵地”日本にあって、韓国人ファイターは結果以外に試合内容でも観客を満足させなければ生き残れないことを知っているからであろう。
多くの選手をブッキングし続けるCMAだが、その過程では選手と袂を分かつことも経験している。PRIDEで名を挙げたチェ・ムベ、UFCや『戦極』に進出したキム・ドンヒョン、元DEEPライト級王者で『戦極』に参戦したハン・スーファンといった選手がそうだ。彼らももともとCMAが発掘した選手である。こうした問題はチョン・チャンウク氏によると「ほとんどの場合、選手自身にはなんの問題もありませんが、第三者が関わってきて話がこじれることが圧倒的に多い」のだという。
格闘技選手が実績や知名度を上げてくると、選手の周囲には調子のいい話を持ちかけてくる人物が現われ、問題を複雑化させるのだという。その代表的な例が、昨年の『戦極〜第四陣〜』五味隆典戦前のハン・スーファンのケースだ。チョン・チャンウク氏によれば、当時のハン・スーファンには韓国のある選手のマネージャーが近づき、「スポンサーを獲得してやる」といった話や実現できないようなことを吹き込み、それがもとで五味戦の当日は試合直前までギャラの交渉が続く大騒動になったという。結局、この後ハン・スーファンはDEEPのライト級の王座を返上し、現在はブッキング元を変更し、アメリカのローカル大会に出場することが決まっている。また、DEEPやCMA系のイベントで連勝してUFCに進出したキム・ドンヒョンも、現在はCMAとの関係を解消。こちらもハン・スーファンと似たような問題があったようだ。
異国の無名の新人に日本で闘う機会を提供し続けても、さまざまな要因によって選手との関係が断たれてしまうこともあるが、チョン・チャンウク氏は「基本的にはCMA KOREAは選手を発掘し、ブッキングする組織です。これからも日本に選手を送り続けますよ」と語る。大会が激減し、闘うリングすらない韓国格闘技界の現状をみると、今後もCMAが担う役割は重要な意味を持ち続けるだろう。
■パンクラス・コリアが再始動! ソウル進出を宣言!!
韓国にはCMAとは別ルートで独自にネットワークを持つ格闘技団体もある。実際に韓国支部を持つ修斗、パンクラスなどがそれに当たる。アマチュア大会ながら、07年3月に旗揚げしたパンクラス・コリアは、活動の拠点を釜山に置き、定期的に日本にも選手を派遣し続けているが、いよいよソウルへの進出を決意したようだ。10月28日にスポーツ&格闘技ニュースサイトの『XSPORTS』が報じたところによると、パンクラス・コリアはソウル進出する模様。

同記事によると、パンクラス・コリアのイ・ドンギ代表は「2年前に釜山でパンクラス・コリアを旗揚げしてから何度か大会を開催してきたが、地域的に孤立していたためスポンサーを得ることに限界があり、興行を定期的に開催することができなかった。もう少し確実な格闘技ビジネスのシステムを構築し、チームの整備をしてから、しっかりとパンクラス・コリアを開催したいと思っていた。今年になって出会ったソウルのチーム・マルのチョ・ジンウォン会長と意気投合し、ついにパンクラス・コリアのアマチュア大会をソウルで開催することになった」と説明。パンクラス・コリアとチーム・マルとの出会いは、今年の夏に韓国で開催された『戦極G!杯』韓国大会がきっかけだ。両者は新たなパートナーシップを結び、今後はチーム・マルの道場を借りてパンクラス・コリアのアマチュア大会を開催していくという。
この発表を受けて、パンクラス・コリアのイ・ドンギ代表に電話で取材すると、これまでの経緯と今後の計画について「自分が釜山に住んでいるので、パンクラスの拠点を釜山に置いていましたが、やはりソウル圏と地方都市では選手層に大きな違いがあります。ソウルでチーム・ミルという協力者ができたので、今後は11月の下旬ぐらいにアマチュアのソウル大会を開催し、2ヵ月に一度は大会を開催していきたいですね。いまパンクラス・コリアが契約しているのはキム・フン、チョン・ジンソク、キム・ヒョングァンの三選手ですが、いい選手がいればドンドン契約して、釜山でパンクラス・コリアのコーチのもとでレスリングを特訓させて、また選手を日本に送り込みたいですね」と説明。
韓国格闘技界の状況について質問すると、イ・ドンギ代表は「以前よりよくなっていると思いますが、スポンサーを見つけるのは本当に難しいです。パンクラス・コリアには韓国のイサミさんがスポンサーになってくれていますが、そのほかについては現在も探しているところです」とコメント。11月には日本で開催されるグラジエーター岡山大会を視察するというイ・ドンギ代表。停滞する韓国格闘技界に喝を入れ、活性化の礎となることができるか?
以上、今週の韓国格闘技情報でした! 来週もお楽しみに。