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角田レフェリーに3ヵ月のレフェリー業務停止処分【会見全文】

13日にFEG事務所で、大成敦(おおなりあつし)ルールディレクターが会見を行ない、角田信朗レフェリーの3ヵ月業務停止処分を発表した。
11月13日(金)東京・FEG事務所
角田信朗レフェリー業務停止処分会見

まず大成ルールディレクターからは以下の発表が行なわれた。

「検証した結果、担当した角田レフェリーを3ヵ月の業務停止処分と決定いたしました。この経緯について、試合直後から審判団の中でいろんな意見が出ました。早急に検討をしなければいけないということで、資料を集めたり、多くの人の意見を集めて詳細に検討した結果、基本的には一番近くで見ているレフェリーの判断が正しいという考え方なんですが、レフェリーの判断と一般の視聴者と観客の方の考える“ダメージ”というところに大きく隔たりがあって、そこで混乱をきたしているということで我々K-1審判団は3ヵ月の業務停止処分としました」

続いて報道陣との質疑応答が行なわれた。

――審判団の集りはいつ行なわれたんですか?
大成 別に仕事を持っている人もいたりするので全員で一気に集るのは難しかったので……、試合の直後と10月30日です。最終的に意見を集約できたのは10月30日です。処分は11月11日付けで3ヵ月ということになります。

――審判団の集まりには角田さんもいた?
大成 はい。角田レフェリーはその試合に関して自信と責任を持ってレフェリングしたという自負がありますので、意気消沈しているとかいうことではないんですが、ご自分が判断された選手のダメージと視聴者の方に隔たりがあったことは素直に認めていました。

――「隔たりがあったから処分する」ということだと、審判団としては角田さんの判断は間違っていなかったということになるんですか?
大成 そうですね。僕たちは一番近くで見ているレフェリーの判断を最優先にします。

――正しかったのであれば処分の必要もないような気がするんですが。
大成 K-1をメジャースポーツにしようと僕たちは思ってるわけですが、メジャースポーツにするからには専門的な目だけではダメじゃないかと考えています。

――世間とあまりに乖離するのはよろしくない、と?
大成 そうですね。ただ、試合が終わった後のことですが、武田選手は元気でしたし、賛否両論ありましたが、角田師範にお礼の言葉もあったようですので、ダメージうんぬんという部分では角田師範の判断は間違いじゃなかったと思っております。

――3ヵ月業務停止処分は本人にも伝わってる?
大成 はい。ご自身から「世間と乖離した部分、その差を埋めるためにも客観的にK-1を見たい」ということで業務を自粛したいという申し出がありました。

――K-1でレフェリーにこのような処分が下されるのは初めてですか?
大成 こうして大々的に発表するのは初めてですね。僕たちは100パーセントのレフェリングを目指してはいますが「もうちょっと早く止めるべきだった」という小さい事例はあります。

――10月26日の試合に関する減給処分などはあるんですか?
大成 ギャランティに関しては僕たちが管轄する部分ではないので、プロモーションサイドとの話し合いになると思います。

――3ヵ月という期間はどういった理由で?
大成 一番の理由というのは世間一般で言われているように重大なダメージを負っていないということです。角田レフェリーが判断された中で重大なダメージがなかったということで3ヵ月という期間になりました。

――ということは、レフェリーをしないのは、ワールドGPと大晦日ですね?
スタッフ 来年はまだ大会が正式決定していないので、確実なのは12月の2大会です。

――以前は魔裟斗vs佐藤嘉洋のときに角田氏が10対8を9対8にしたという事例がありましたけど、そのときはこういう処分は?
大成 そのとき角田競技統括はオブザーバーというポジションにおりました。オブザーバーというのは全体的な競技進行を監督する立場におりまして、あのときはご自身でも言われているように、「ダメージとかダウンを明らかにしたほうがいい」という判断でそうしたんです。それはオブザーバーの権限内であったので処罰ということではなかったんですけれども、ルールに沿ってやらなければいけないという大前提がありますので今後はそういうことはないです。

――いまはオブザーバーの位置にはいないんですか?
大成 いえ、オブザーバーは必ずポジションとしてありますので、ご自身がレフェリーをされてるときには僕がやったりします。オブザーバーができる人数というのは限られているんですが。

――処分期間中に角田さんはオブザーバーの職務にもつかれないんですか?
大成 はい、そうです。

――会場に来ることはある?
大成 もちろん。謹慎の理由を考えますと、ご自身の判断と世間のイメージが乖離していたということですので、客観的に試合を見ていただいてお客さんのレベルを認識してもらいたいという部分もありますので。

――発表するにあたって、理由をどう表現したらいいんでしょうか? 「○○○によって3ヵ月の処分が下された」という部分なんですが。
大成 問題の試合は武田幸三vsアルバート・クラウス戦です。どういう言葉が適切かわからないんですが、ご自身で判断されたレベルと一般視聴者の方が考えているレベルに乖離があった。それで混乱をきたしたというところでしょうか?

――その乖離の部分が問題になって、今回の処分になったということですか?
大成 そうです。

――角田レフェリーの判断は別に間違った部分はない、と?
大成 はい。

――一般の視聴者やファンとの乖離で、具体的な事例はありますか? たとえば苦情が殺到したとか?
大成 僕たちは苦情があったから会議を開いたわけじゃないんですね。K-1では必ず試合前、試合当日、試合後にミーティングをやりまして、すべての試合を適切に競技として運営されていたかを検証するんですが、その中で試合当日のミーティングでこの議題が出たので、この問題を抽出して議論をしました。

――見た感じですが、ダウンをスリップとして判断したわけですよね?
大成 ダウンを取らずにスリップという判断をしたということですか? 専門的な話になりますが、ローキックが原因で倒れたところなんですが、K-1においてはダウンの定義がありまして、相手の攻撃によってダメージをこうむったときに足の裏以外が着いた場合はダウンと規定しています。レフェリーが危ないと判断したときも止めるんですが、倒れたときのダウンの定義はそういうところになっています。あのとき角田レフェリーが判断したのは、ローキックのダメージではなくて、ローキックによってバランスを崩したと解釈をされたんです。

――視聴者との乖離というのはその部分ですか?
大成 それと僕も放送の映像をあとで観たんですが、武田選手のダメージが顕著に出ているシーンがテレビのカットに入っていたので、その部分もあると思います。

――ダメージは角田さんに限らずいろんな人が見てあいまいな部分だとは思うんですが、処分の決定打になったのは? 視聴者が見てダメージだったけど、角田さんから見てダメージじゃなかったというのは、どこですか?
大成 具体的にどの部分というのは、僕も苦情というか、声がきてるのはどの部分かは細かくは確認していないんですが、テレビのシーンで白目をむいているというか、ちょっと目の焦点が合っていない部分が入っていたんで、その部分にはかなりの数があるのではないかと思います。彼はそれまでの試合なのか、生まれつきなのかよくわからないですけど、もともと目に異常を持っていたのでそういう目の位置がズレるという、病気ではないんでしょうけど、そういう症例があるというのは僕らも事前には聞いていたので、それが出てしまうと試合のダメージによってそうなったとテレビを観ていた方は思ってしまう可能性はあると思いますね。

――当日の試合後のミーティングでこの試合に意見が挙がったということですが、どういう意見が出たんでしょうか?
大成 やっぱりダウンを宣告すべきではなかったのかということですね。システムとしては、レフェリーがダメージが深いと判断したときはすぐにドクターに見せています。ドクターがこれ以上は無理と判断して、試合がストップされたのでシステムとしてはそのように機能しています。

――ダウンを宣告すべきではなったのかということについて角田さんはどのようにおっしゃってなんですか?
大成 そのときは試合当日なので映像を観ながらということはできなかったんですが、ご本人の記憶の中では自信を持って判断したとお話をされていました。

――視聴者やファンの声として、角田さんに直接弁明というかコメントしてほしいという意見もたくさんあるんですけど、それは今後あるんですか?
大成 今回、僕が出させていただいたのは僕が出たいというわけでは全然なくて、角田さんがいらっしゃるのはK-1審判団という組織でありまして、あくまでもその組織の一員という解釈でありますので、今回は当人ということもありますので審判団を代表して私が発表させていただいたということです。

――すみません。確認になるんですが、今回視聴者との乖離の部分で問題になったということで、角田レフェリーの判断としては咎められたりするものではないと?
大成 ちょっと難しいんですが……。もちろんダメージがあったことは認識しています。ただし、それが試合続行が不可能かどうかの判断ですよね。何度も言いますがメジャースポーツを目指すK-1としてはそういう部分も考慮しなければいけないという判断で。

――そういった行為に対しての今回の処置である、と?
大成 はい。まずご自分から一歩離れた位置で客観的に試合を観たいということで「自粛をしたい」ということですね。それに関して審判団が3ヵ月という期間が相当だろうという判断でした。

――3ヵ月という業務停止処分はK-1で初ですか?
大成 いえ、僕自身もあったと思います(笑)。何度かは記憶が定かではないんですが。